書籍のご案内 - ものづくりの課題とその解決へ -


「化学工学 機能材料の設計と製造プロセスへの応用」


丸善出版より発刊されました(2023/05).

産業界の実課題に対する化学工学体系の応用を追体験しながら学べる教科書.
とくに重要と考えられる機能性材料の製造プロセスと機能解析,設計を中心課題としている.
工学的な厳密性よりも現象をどれだけ大づかみできるようにするか,という観点で全体の構成を行っている.

まず化学工学モデリングの手法を俯瞰したうえで,反応工学,反応拡散系の事例を検討.
次に,有機半導体中のキャリア移動過程に関するモデリングを取り上げている.
機能商品の分野では微粒子複合材のハンドリングが欠かせないため,それらに関する事例についても解説.
機能性材料の研究開発では,現象のモード転換と変動に対する考え方を身に着けておく必要がある.
そのためのモデリングセンスの醸成を目的とした内容となっている.


「スケールアップの化学工学 ものづくりの課題解決に向けて」


丸善出版より発刊されました(2019/04).

”ものづくり”で悩んでいませんか?

機能材料などの“ものづくり”では,望みの性能を実現するために,材料の構造をプロセスにより細かく制御する必要がある.
しかし,材料に求められる微細構造は,ラボ実験スケールからスケールアップしたとたんに制御が難しくなる.
スケールアップに伴う課題の多くは,非線形性や非平衡性に依存しており,古典的な化学工学だけでは解決できない.

本書では,スケールアップの課題に立ち向かうために重要な構造形成の学理を,
古典的な化学工学が前提としてきた平衡論や速度論に加えて,非平衡相変化の視点から丁寧に解説した.
さらに,演習問題を活用することで,より実践的に学ぶことができる.

“ものづくり”で悩む技術者や研究者,“ものづくり”の道を目指す学生にぜひとも役立てていただきたい.


「ゲルっていいじゃない -ゲルの製造と応用に向けて-」


株式会社テクノシステムより発刊されました(2016/03/12).

「発刊にあたって」

ゲルは難しい.ゲルは馴染み深い材料なのに,よくわからないと感じるのはなぜだろうか.
ゲル化したり壊れたりするので,ゲルの性質がよくわからない.
例えば,ケチャップは振ると流れるが,片栗粉は攪拌すると固まる.
全く逆の現象で,振ったり混ぜたりすると,ゲルが壊れたりゲル化したりする.
これらの現象はチキソトロピーとか,ダイラタンシーといわれるが,根本のところがわからない.
つまり, なぜ,ケチャップがチキソトロピーで,片栗粉はダイラタンシーなのか.

ゲルは結晶などと異なり,もともと非平衡材料である.
それも,熱力学的な非平衡性と流体力学的な非平衡性がカップリングしているから難しい.
しかも,ゲル物性は非線形性が強く,単純に予測はできない.
また,ゲル構造の解析も階層的に理解されるようになったが,そのゲル構造とゲル物性にはいまだにギャップがある.
そして,同じ材料を用いても,製造プロセスによりゲル構造が変化する.全く,つかみどころがない.

ゲルに関する書籍は数多く出されているが,「ものづくり」の視点から書かれた書籍はほとんどない.
本書はできる限り,know whyを追求し,「ものづくり」とゲル構造, そして,ゲル物性を関係付けることを心がけた.

とはいえ,やはりゲルは難しい.読者の批判を仰ぎたい.


「ものづくりの化学工学 プロセス・イノベーションを目指して」


丸善出版より発刊されました(2015/01/31).

本書は,材料の構造形成を体系化し,かつプロセスの構造形成の体系化,
また,これらを横断的に繋ぐことによって, 化学工学のプロセスを本質的に理解出来るよう,
従来の教科書や専門書にはない試みに挑戦しています.

著者の長年に亘る企業での経験をもとに,生産現場でぶつかる様々な困難に対処するための実践的戦略,
つまり製造プロセスや現象を大胆かつシンプルな「化学工学モデル」により,
定量的に解析し,活用する「ものづくり工学」的視点の術をまとめました.
SNAPだけではない様々な解析の解説や,現在の課題にマッチした豊富な例題もあり,
ものづくり日本の復活の鍵を握る書です.


「分散・塗布・乾燥の基礎と応用 プロセスの理解からものづくりの革新へ」


株式会社テクノシステムより発刊されました(2014/03/10).

分散・塗布・乾燥プロセスで発生する問題の解決を狙って発刊された書籍です.
これらのプロセスに関する実験や理論,シミュレーションの基礎知識が,
網羅・整理されていることは勿論,SNAPの背景知識も獲得することが可能です.

分散・塗布・乾燥のそれぞれのプロセスにおいて物理化学的な議論が成されることはありますが,
これらのプロセスの関連性を意識して纏められた資料はあまりないかと思われます.
その中で,これらのプロセスを連続的に利用して,ものづくりを志向する方や
それらに潜む原理原則を探りたい研究者・技術者の方の一助となれば幸いです.



「化学工学」連載:スケールアップの化学工学


2017年4月〜2018年4月「化学工学」に連載(2017/04/05).

  • スケールアップの化学工学(12) -スケールアップの化学工学-

  • スケールアップの化学工学(11) -乾燥プロセス-

  • スケールアップの化学工学(10) -塗布プロセス-

  • スケールアップの化学工学(9) -混練プロセス-

  • スケールアップの化学工学(8) -分散プロセス-

  • スケールアップの化学工学(7) -析出プロセス-

  • スケールアップの化学工学(6) -反応器のスケールアップ-

  • スケールアップの化学工学(5) -プロセスにおける流動-

  • スケールアップの化学工学(4) -プロセスの非線形性-

  • スケールアップの化学工学(3) -プロセスにおける律速-

  • スケールアップの化学工学(2) -材料の構造形成-

  • スケールアップの化学工学(1) -化学工学体系とスケールアップ-




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