新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、第2回非平衡系セミナーを延期とさせていただきます。状況沈静化を待っての開催を予定しております。参加予定の皆様におかれましては、楽しみにしていただいたところ誠に申し訳ありません。何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。(2020/2/27 )

エマルションや微粒子などのコロイド系はナノコンポジット,電池,導電性インク,粘着剤など様々な分野に用いられている.これらの性能は材料の選択やプロセスに依存するため,「ものづくり」の課題は複雑で多岐にわたる.特に,凝集構造は様々で,分散,混練,塗布,乾燥と全てのプロセスに関係し,流体力による分散や凝集は製品の性能を決定づける.どこまでが分かっていて,何が問題なのか,一緒に考えてみませんか?

【主催】 一般社団法人プロダクト・イノベーション協会(PIA)

【日時】 2020年3月6日(金)10時~17時

【場所】 東京大学浅野キャンパス 武田先端知ビル2F会議室

【講師】
PIA 代表理事/東京大学名誉教授     山口由岐夫氏
東北大学大学院工学研究科 准教授     久保 正樹氏
東京大学環境安全研究センター 特任助教  辰巳 怜氏
PIA 主任研究員             小池 修氏

【教材】 当日配布資料(プログラム

【費用】 45,000 円/人(消費税別);資料及び昼弁当・懇親会費を含みます.

【定員】 20名程度(申込〆切2月28日(金)ただし、定員になり次第締め切ります)

【プログラム】 

10:00~11:00 (1)ものづくりの課題解決 〜プロセスにおける凝集を中心に〜 山口 由岐夫 

機能材料などの“ものづくり”では,望みの性能を実現するために,材料の構造をプロセスにより制御する必要がある.しかし,ものづくりの課題の多くは,非線形性や非平衡性に依存しており,これまでの化学工学やコロイド科学だけでは解決が難しい.本セミナーでは,構造形成の学理を,熱力学な平衡論や化学工学的な速度論に加えて,流体力学的な非平衡相変化の視点から丁寧に解説する.さらに,現実の課題を中心に実践的な解決方法について話をする.

11:00~12:00 (2)分散系のレオロジー 小池 修 

例えば,厚膜を狙う高濃度粒子分散系は非線形な流動挙動を示し,不慮の問題を招くことがある.但し,その非線形性の基本を事前に把握しておくことは極めて重要であり解説を行う(shear thinning/thickening,二峰性粒子系の粘度).加えて,凝集体解砕に伴う粘度変化なども解説する.

12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 (3) 乾燥による構造形成と乾燥方式 辰巳 怜 

乾燥場において構造形成が誘起され,非線形な乾燥特性が現れる.構造の観点から,乾燥特性の推算方法および粒子凝集の影響,乾燥方式(赤外,熱風)の影響などを解説する.

14:00~14:45 (4) 非水系の界面活性剤と溶媒による分散効果と流動の影響 久保 正樹 

水系粒子間相互作用はDLVO理論で比較的なじみがあるが,ここでは非水系における粒子間相互作用の解説を行う.次に適用例を紹介しつつ,粒子分散の鍵となる界面活性剤・溶媒,粒子物性の主要な因子をいくつか指摘し,流動場も加わる際の分散状態も解説する.

14:45~15:15 (5) 流動場における分散の課題と対策 小池 修 

流動場の分散のよしあしは,粒子性状や粘度変化に大きく反映し,最終製品の強度などの機能にも現れる.分散効率や過分散などの課題と対策について解説する.

15:15~15:30 休憩
15:30~16:00 (6) 塗布における欠陥と対策 山口 由岐夫 

粒子系の塗布はミクロには表面あれ,分散・凝集を起こし,マクロにはスジムラやリビングなどの塗布欠陥を誘発する.Slot die coatingなどを例に,課題解決の方法を探る.

16:00~16:30 (7) 乾燥における欠陥と対策 辰巳 怜 

粒子系の乾燥は,skinning,バインダや小粒子の偏析,マイクロクラックなど,膜質の不均一性や欠陥を誘発する.それらの解決方法について解説する.

16:30~17:00 (8) Q & A 

普段の業務で抱えておられる疑問も歓迎いたします.

懇親会